そこのスイングトレーダーの方に質問です。あなたはザラ場で株を買いますか?
おそらく多くの方が「はい、めっちゃ買います!」と言いそうですよね。それも寄りついてすぐの時間帯に買う人が多そうです。
しかし、個人的には
- ザラ場は見ない
- 大引けで買う
という戦略も大いにありだと思っています。この記事ではその理由や考え方を書きましたので、心当たりのある方はぜひご参考下さい。
<関連記事>
「ザラ場は見ないで大引けに買う戦略」が有効な人
株初心者さんや売買がうまくいかない人にありがちなのはザラ場の雰囲気に飲まれてしまうというパターンです。
例えば「大きく上がっている株を見ると欲しくてたまらなくなり衝動買いしてしまう」なんてものはかなりありがちなケースですよね。
その他にも「欲しい株なのにザラ場で弱い値動きを見ると買うのを躊躇してしまう」なんてものもありがちだと思います。
こういったパターンをひっくるめて言うならば「ザラ場の雰囲気に飲まれてしまう」というケースであって、心当たりのある方はザラ場を見ない方が良いです。
ザラ場は見ないで大引けの直前に株価をチェック、そして感情を除外して値動きのみの判断で売買するのが正解ですね。
もちろんザラ場の値動きにも色々な情報が含まれているのですが、雰囲気によって考えが右往左往するくらいならザラ場は見ないで大引けに買う方法で良いでしょう。
ちなみに、これは利益確定や損切りも同じ事が言えるはずです。
例えば「ザラ場で下がっているのを見て慌てて売ったら大引けには高値更新していた」という経験はありませんか?
また、「ザラ場で下がっていたので損切りをしたら大引けにはかなり値を戻した」という経験はどうでしょうか?
株価は握力の弱い投資家をふるい落とそうと上下に揺れるものです。
ここを理解しないといつまで経っても毎度毎度同じ事をしてしまうことになりかねず、悔しい想いも増えるでしょう。
株価は終値が本当の価格なので、ローソク足がしっかりと出来上がる前の値動きに惑わされないように気をつけて下さい。
個人投資家はなぜザラ場を見るのか
個人投資家がザラ場を見る理由は色々あると思います。単純に値動きを見ているだけでも楽しいものですが、初心者さんの多くは
- 少しでも良い価格で売り買いしたい!
という気持ちが特に強いはずです。
- 少しでも安く買いたい
- 少しでも高く売りたい
- 自分の買い値より下がったか気になる
- 自分の売り値より上がったか気になる
こう思ってしまうことは当たり前なのですが、経験的にはこれらの考え方は邪魔になります。
なぜならこれらの考え方の裏には「損したくない」という感情しかないからです。
おそらくトレードを上手に行える人はそういった感情論を排除して
- 自分が良いと思っている価格との差はどれくらいか
- その価格にきた時の状況はどのようなものか
など自分なりの視点を持ってザラ場を見ていると思います。ここに感情はなくて、客観的な状況判断が主な目的です。
ところが初心者さんは感情ありきでザラ場を見てしまうので少しの値動きにびくびくしたり、冷静に考えたらおかしな行動をしてしまうのでしょう。
株価は大きなお金を持ったプレーヤーが動かしていて、その動きは感情に語りかけます。
- 寄り付きで上げてから一度落とす
- 大きな節目を割り込ませてから元に戻す
など「損したくない!」という感情に働きかけて売らせるわけです。
ザラ場を見てしまうとこういった罠にハマるので、兼業投資家であれば日中は素直に仕事に打ち込んで、大引けの状態で株価を判断するのもひとつの考え方でしょうね。
ザラ場ではなく大引け付近で買う実践的な理由
スイングトレードは日足で行うことがほとんどなので、毎営業日における大引けを意識するべきです。
大引けの株価を意識する具体的な理由は「ザラ場途中では大引け時点でのローソク足や出来高状況がイメージしづらいから」ですね。
これを考えるにはローソク足の作られ方を考える必要があるので、まずはこちらをご覧下さい。
上記は陽線や陰線がどのような流れで形成されるかを表した図です。
陽線であれば
- 始値から下がって安値を形成
- そのあと反発して下髭ができる
- 始値を超えるほど上昇して高値を形成
- そのあと反落して上髭ができる
といった流れで、陰線であれば
- 始値から上がって高値を形成
- そのあと反落して上髭ができる
- 始値を超えるほど下落して安値を形成
- そのあと反発して下髭ができる
という流れです。
ここで注目したいのは
- 陽線であれば最初の下髭形成の時点では陰線となっている
- 陰線であれば最初の上髭形成の時点では陽線となっている
という点でしょう。
例えばザラ場中に日足チャートを見てしまい、その日が大陽線となっていることを理由に買ってしまうと「大引けには上髭陰線となっていた」なんてこともあるわけです。
もし日足でトレードを考えているのであれば終値でどのようなローソク足になっているかは重要なので、前場途中で早々と売買判断するのはやめた方が良いかもしれません。
また、日足の状態をイメージするという意味では「大引けになるべく近い時間帯で出来高がどれくらいついているか」をチェックしてみるのも大切です。
例えば前場終わりはその日の値動きの半分が終わった段階なので、ここで出来高をチェックしておくことはひとつの目安になるでしょう。
仮に前場終わりの時点で「日足における直近最大出来高の半分もしくは3分の2」に近い出来高を持っていたら、大引けの段階で直近最大出来高かそれ以上になりそうだと推測できます。
下げ日も同様の考え方ができて、大引け間際に
- あまり出来高がついてきていない
- 買いたい価格を下回っている
という状態であれば「この下げは問題なさそうだから大引けで買う」という判断がしやすいですよね。
このように
- ローソク足と出来高を前場引けや大引け直前で判断する
- 値動き上で問題なければ引け買いや指値をする
という手順は日足売買で大切なことだと思っています。
ちなみにこの考え方は分足でも同様で、
- 5分足なら2分半経過時点
- 15分足なら7分半経過時点
- 1時間足なら30分経過時点
で値動きと出来高を判断してあげるとその後の判断もしやすいです。
大引け時点で自分が買いたい価格に近い場合はローソク足や出来高を判断した上で指値を行い、リスクが低い状態で待ち伏せしておくのがベターですね。
まとめ
ザラ場の値動きを見ることで雰囲気に飲まれてしまうような人はザラ場を見ない方が良いです。
また、日足のローソク足があまりイメージできない内から売買判断をすることはリスクを伴う可能性があるでしょう。
リスクを抑えるには大引けになるべく近い時間帯において
- どのようなローソク足になっているか
- 出来高がどれくらいついているか
をチェックした上で指値運用をする必要があり、これは分足でも同じことが言えるでしょう。
<関連記事>