どうも、ひげづら(@higedura24)です。
私たちが暮らしていく上で必要な業種に「銀行業」があります。
銀行業というと3メガバンクに注目が行きがちですが、実際の生活で欠かせないのは地方銀行ではないでしょうか。
いわゆる地銀はそれぞれの地域に存在していて、日本という国は特に地銀が多いです。
そんな地銀の中で以前から独自路線で収益を上げていた銀行があります。
それは「スルガ銀行」で、簡単に言えば個人向け融資というビジネスで成功したと言われているんです。
スルガ銀行の株価は2018年まで堅調でしたが・・・あることがきっかけで大暴落となりました。
この記事では
- なぜスルガ銀行の株価が大暴落したのか
- スルガ銀行の暴落から得られる教訓は何か
という点についてお話します。
スルガ銀行の株価大暴落の理由
スルガ銀行をはじめ、銀行のお仕事はお金を貸すことです。
- 新規事業を行いたいので融資してください
- 家を買いたいので融資してください
- 不動産投資をしたいので融資してください
例えばこんなことでお金を貸してあげます。
お金を貸せばその利息で銀行は儲かりますし、融資を受けた人も目的を達成できてハッピーです。
ただ、ここで重要なのは「返済がちゃんとできるのか」という点ですよね。
起業融資なら経営がうまく回らなければお金を回収できません。
住宅ローンでもちゃんと継続して働いていて、固定収入がしっかりとしている人でなければなりません。
不動産投資だって、部屋を借りてくれる人がいなくてはお金を回収できないのです。
銀行は誰にでもお金を貸して良いわけではなく、融資内容を含め審査を適正に行う必要があります。
スルガ銀行のリテール事業
スルガ銀行が暴落する前まで株価が堅調だった理由は、他の銀行がやりたがらないリテール(個人)融資を積極的に行ったからです。
スルガ銀行の融資先のほとんどは個人向けで、中でも不動産業者とのつながりが多いと言われています。
スルガ銀行の融資の特徴は個人であろうと独自判断で融資を行うというもの。
例えば、通常の住宅ローンだと「現在の勤務先に何年勤めていますか?」なんて聞かれますよね。
これは融資を行う個人に、
- どれくらいの勤務意欲があるか
- コロコロと勤務先を変えていないか
- 固定収入の安定性はあるか
- 長期的に滞りなく返済してくれそうか
といったことを聞いているのだと思います。
しかし、スルガ銀行の場合は「独自判断でガンガン貸していきます!」という体制だったのです。
これは好調だったリテール不動産事業に他行が参入し始め、営業成績を優先する内部風潮があったからだと言われています。
その結果、「融資基準に合わない顧客にも融資を行う」といった内部コンプライアンスの欠如が生じ、貸せる人にはどんどん貸しちゃおうという流れが出来上がりました。
スルガ銀行はいつしか
- 実際の不動産価値よりも高い案件に融資
- 反社会勢力にも口座開設
- 審査書類のねつ造など金融庁を欺く行為
を行うようになっていました。
そしてこれは後の株価暴落の根本的な原因となります。
シェアハウス「かぼちゃの馬車」でスルガ銀行の不正発覚
スルガ銀行の顧客にスマートデイズという不動産会社がありました。
スマートデイズは「かぼちゃの馬車」というシェアハウスを運営しており、それは
- 家賃保証をすることでオーナーに通常よりも高く売りつける
- その利益で他の物件の穴埋めをする
という自転車創業だったのです。
スマートデイズの融資先はスルガ銀行のみで、しかもその審査は
- オーナーの資産や預金を水増し
- 価格のねつ造を知りながらも見て見ぬふりをする
という不正なものでした。
2018年1月、スマートデイズは首が回らなくなり、オーナーに家賃が払えなくなります。
家賃保証をしていたはずなのに、突然それが無くなったわけです。
その結果、1億円で買った不動産を数千万で売却せざるを得ないオーナーが大量に発生して社会問題に発展しました。
そしてスルガ銀行の不正融資が発覚、次から次へとスキャンダルが出ることにもなり、最後は金融庁から半年間の業務停止命令まで出されたのです。
外部参照リンク:コトバンク|スルガ銀行不正融資問題
当然、スルガ銀行の株価は・・・
このような大暴落となりました。
2500円以上あった株価はあれよあれよと500円を切る結果に。
スルガ銀行はシェアハウスの不良債権を引き取り、大幅赤字に転落。
しかも貸し出しは停止させられているので融資残高は減る一方です。
利ざやも単価も減少し、強引なやり口はスルガ銀行の経営に大きく影響する結果となりました。
スルガ銀行の株価暴落と創業家
そもそも、今回の株価暴落は
- スルガ銀行内部の内部コンプライアンス
- 経営陣(創業家)の考え方
が根本にあるでしょう。
スルガ銀行を大きくしたのは創業家の力であって、それは評価されるべきです。
ただ、経営が傾かないためにとった内部管理が
- 無理な営業ノルマやパワハラ
- 不正を容認するような体制
だったことは大きな問題でしょう。
そもそも銀行に限らず企業は世のため人のためになってなんぼのものだと私は考えています。
それなのに、社会問題になるような方向性に持って行ってしまったのは本当に悲しい出来事ですよね。
シェアハウス問題のあと、創業家は経営から退き保有する株式を売却すると発表しました。
さらにその後、その譲渡先がノジマになると報道されました。
外部参照リンク:株探|スルガ銀行大幅高、ノジマが筆頭株主に
その結果、株価は・・・
暴落後の底打ちから反転する値動きとなっています。
ここから感じる教訓は、
- 投資家は創業家や経営陣の考え方を重んじている
- 不正後、母体が創業家から移ったことはポジティブ材料だ
- その思惑は「クリーンな経営に構造改革されるだろう」というもの
といったことです。
また、ノジマとスルガ銀行はクレジットカードなどの金融分野を中心に強力していくとも言われました。
もし、これがノジマの新しい収益源となれば「ノジマ+スルガ銀行」のシナジー効果で両者の株価に影響するでしょう。
株価暴落後には、こういった仰天の結末もあるので非常に興味深いですね。
スルガ銀行の株価は上がる?
スルガ銀行の不正融資問題は一応、ノジマが請け負ってくれたということで終結しそうです。
筆頭株主になることも正式に発表しましたし、構想も伝えてくれました。
それにスルガ銀行の業務停止も解けています。
懸念点は貸出残高の減少を食い止められるかということですね。
こればかりは個人投資家に判断できることではないですが、チャート的には悪くないと思います。
10月28日のノジマサプライズでつけた十字線を超えてくれれば、そこから株価を戻す流れに入るのではないかなと。
銘柄背景としては非常に投機的なのでおすすめはしませんが、面白い段階ではありますね。
底値はそれなりの期間をかけて形成しているので、このサポートを割らなければいずれ上に行くでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回はスルガ銀行の株価暴落理由についてお話しました。
株式投資を行っている方は、経営者の考えに敏感です。
スルガ銀行も新しい筆頭株主のもと株価暴落から立ち直り、もとの信頼を取り戻せることを願っています。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!