どうも、ひげづら(@higedura24)です。
個人投資家が信用取引を行う上で最も恐れているのは追証や不足金で追加入金を求められることではないでしょうか。
市場の状況によっては大量発生することもあり、資産状況と発生タイミングが悪い意味でハマってしまうと大変な事態にもなり得ます。
そこでこの記事では
- 追証が大量発生しやすいタイミングとは
- ありがちなパターンはどんなものか
を考えてみました。
上記を知っておけば追証の大量発生に巻き込まれる可能性も減ると思うので、ぜひご参考下さい。
追証が発生する流れ
まず追証が発生する大まかな流れをお伝えします。
追証は信用取引を行った際に保証金維持率が一定割合未満(目安は20%未満)に下がることで発生するものです。
したがって、
- 資金に対して2倍以上のレバレッジをかける
- その状態で市場環境が悪化して、全面安状態になる
- 資産価値が目減りして追証となる
といった流れが一般的ですよね。
また、この流れを踏んでしまいやすくなる条件としては
- レバレッジが高い状態を長い間継続してしまう
- 1銘柄に集中投資してしまう
といったことが挙げられるでしょう。
市場全体が沈んでしまう全面安では集中投資も分散投資も関係ないことも多いので、基本的には一番目の「レバレッジのかけすぎ」と「その状態を長く維持してしまうこと」が大きいかもしれませんね。
レバレッジをかけるなとは言いませんが、
- 極力使わないようにする
- レバレッジが1倍以上の状態はなるべく早く解除する
といった意識がリスク管理として大切なことです。
追証から強制ロスカットになるタイミング
追証から強制ロスカットとなるタイミングは証券会社によって異なります。
大手の強制ロスカットタイミングをまとめると以下のようになり、ポイントとしては
- 前場寄りで実行するケースと後場寄りで実行するケースがある
- 最低保証金維持率も異なる
- 2~3営業日後に強制ロスカットされることが多そう
- 強制ロスカットまでの猶予が最も長いのはauカブコム証券
といったことですね。
強制ロスカットのスケジュールを見た感じでは、大きく下げたあとの2~3営業日後は投げ売りが出やすい可能性があります。
強制ロスカットを避けるためには上記よりも前の段階で
- 入金
- 建玉の決済
を行わなければなりません。
強制ロスカットまでに株価が回復したとしても一度発生した責任は解除しなければならないので注意してください。
また、建玉決済で補填できる金額も証券会社によって変わるので、必ず事前に確認を行うようにしましょう。
追証が大量発生するための条件
先ほどの追証発生の流れをふまえた上で、さらに大量発生するための条件を考えたいと思います。
追証が大量発生するためには前述の流れを踏んでしまう個人投資家が大勢いなくてはなりません。
ということは、
- 市場に楽観ムードが充満していてレバレッジをかけることに抵抗がない
- 高いレバレッジのまま放置しても怖さがない
- 全体的に上げ基調の銘柄が多く、選択肢が多い
といったあたりが考えやすいのかなと思います。
簡単に言えばガンガンいこうぜという空気感にあふれていて、
- 自分は株式売買が上手だな
- この手法であればどんな地合いだって怖くないな
- 買ったもの全て含み益になるから楽しいな
という状況であれば、それは追証が大量発生するための条件を満たしているということです。
株価の暴落は楽観ムードの中で育ち、そして突然に訪れるものですよね。
これをふまえて「楽観ムードでは不要な信用取引を使ってしまいがちだから気をつけよう」いうと意識を持つべきではないでしょうか。
暴落後に雪崩が起きるケース
楽観ムードで怖いのは、日経平均株価が急落しても意外に個人投資家が焦らないケースです。
例えば・・・
2019年9月~12月の日経平均株価は怒濤の勢いで4000円弱も突き進んでいました。
これだけ指数が上がれば嫌でも保有株はそれなりの含み益になるはずです。
ということはこの含み益が消えない限りは追証にはならないということですよね。
2020年1月には高値圏でもみ合いながら何度か急落局面がありましたが、ちょっとやそっとの急落では追証が出づらい状況だったかと思います。
実際に、松井証券が提供している信用評価損益率の過去データを見ても・・・
外部参照リンク:松井証券
2020年2月中旬まではせいぜい-10%で、2月終わり際から3月以降の下幅拡大でやっと-20%を超えてきた状況でした。
追証は信用評価損益率が-20%になってくると発生してきますが、前年末までの上昇分に助けられている方も多いと考察できます。
ここから追証が大量発生するには、さらに深掘りしてもう一段階下げるという流れが必要です。
それまでの堅調な値動きで信用買いがどれくらい積み上がっていたかにもよるでしょうが、二番底や三番底となるにつれて追証が増していくのではないでしょうか。
例えば2018年末には追証が大量発生しましたが・・・
実は2019年後半の上昇スタート地点とほぼ同じ位置から上げたあとに二番底を作りにいく流れでした。
信用評価損益率も・・・
2018年12月25日のクリスマスには-25.73%まで下落している状況でしたよね。
二番底や三番底がやっかいなのはリバウンドがあることで巻き込まれる人が多くなる点ではないでしょうか。
下げ局面でリバウンドがあれば、そこでさらに無用な信用買いをして下げに巻き込まれる人が一定数いるはずです。
- 上昇に出遅れて慌てて乗っかった
- 急落後の最初のリバウンドで乗っかった
という人は巻き込まれ勢となる確率は高いかもしれません。
巻き込まれた人は
- 損失を抑えるために損切りをする
- ぎりぎりまで耐えたあとに投げ売りする
- 追証で強制決済となる
といった可能性が高いです。
この投げ売りがさらに市場を下落させ、新たな追証を大量に発生させる原因になります。
追証が大量発生したあとは暴落買いのタイミング
追証は前述のような流れで発生しますが、売りたい人が売ったあとはチャンスだと言われています。
例えば前述の2018年末は追証が大量発生するほどの下げでしたが、そのあとの2019年1月以降には大きくリバウンドする流れとなりました。
二番底を形成して追証が収まるまで買付け余力を取っておいた場合には、その後の上昇に乗ることが可能だったわけですね。
大事なことは暴落後のリバウンドに絶対に乗ってやるという意識ではなく、
- じっくりと大底を待つ
- 信用評価損益率とチャート(二番底や三番底)を確認する
- 追証が大量発生したタイミング後の上昇を狙う
といった意識でしょう。
追証の大量発生後はほとんどの銘柄が割安になっています。
安く株を買うためにも追証の大量発生に巻き込まれず、その後のリバウンドに乗る側でいたいものです。
まとめ
いかがでしたか?今回は追証が大量発生する条件や流れについてお話しました。
特に大きくレバレッジをかけたまま放置することはリスクが高いと思いますが、市場環境によっては抵抗なくそれができてしまうこともあるでしょう。
市場が楽観に包まれている時こそ余力管理を意識して、突然の急落と追証祭りに巻き込まれないようにしたいですね。
二番底、三番底と進んでいくケースは下手に買わないように注意してリバウンドまで余力を取っておきたいものです。
そのためには値動きと併せて信用評価損益率を考えるべきでしょう。
ちなみに、今回ご紹介した信用評価損益率のデータは
- 直近120日の推移グラフ
- 2013年以降の推移
といったものでした。信用評価損益率のタイムリーな当日データや過去推移は松井証券が唯一、口座開設者のみに無料提供してくれています。株価暴落時に追証の発生状況を知るための必須データなので、お持ちでない方は必ず口座を持っておくようにしましょう。
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