どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資では自分がどういった企業の株を買っているのかが非常に重要だと思います。
有名企業ならともかく、新興株ではどんな事業を営んでいるかも知らずに売買している方も多いことでしょう。
それがほんのわずかしか保有しない投機的な売買なのであれば、それでも成り立つのかもしれません。
しかし、保有期間が長くなればなるほど
- どんな事業を営んでいるか
- 収益形態や最近の傾向はどうか
- 企業実態を知った上でお金を預けても良いか
といった点の重要性は増すのではないでしょうか。
例えるなら「数日借りる程度のレンタカーなら大して知らなくても困らないが、自家用車として10年付き合うならちゃんと調べ尽くして買わなければならない」というイメージですね。
株式投資において企業を調べることを「企業分析」と呼びますが、これは企業ホームページを通してある程度行うことが可能です。
この記事では
- 企業ホームページでどんなことが分析できるのか
- どういった点が投資のヒントになるのか
- その実例はどんなものか
といったことをお話しました。
業績の数字だけを見てもわからないことがたくさんあるので、企業分析のひとつのやり方としてぜひご参考下さい。
株式投資で企業分析をする理由とは
最初に、株式投資において企業分析をする理由について述べます。
私たち投資家がなぜ企業分析をするのか?
それは「投資するに値しない企業かどうかを分析するため」ですよね。
機関投資家はともかく、個人投資家は投資資金が限られていることがほとんどでしょう。
自分が汗水流して得た大事な資金は
- しっかりと成長してくれる企業
- 安心してお金を託せる企業
に入れなくてはなりません。
だからこそ株式売買をする前に企業分析を行い、
- どんな事業をメインに行っているのか
- サブ事業にどんなものがあるのか
- 収益形態はどのようなもので、直近で伸びているのか
- 自分が投資したい理想の株にどれくらい近いのか
- 何より大事な投資資金を預けても良いのか
といったことをあらかじめ把握しておくわけです。
例えば、あなたがこれからも成長が続いていく企業に投資したいと思っているのに
- 業績が頭打ち気味である
- 売上の源泉となる客足が減っている
- サブ事業がメイン事業の邪魔をしている
といった状況では好ましくありませんよね。
そういったことは誰も知ることができないブラックボックスというわけではなく、企業が出している情報で事前に知ることも可能です。
企業は投資家向けにホームページ上で情報開示を行っているので、しっかりと目を通していくべきでしょう。
企業分析はホームページが鍵となる理由
企業分析というと
- 株価が割安かどうか
- 業績が好調かどうか
- 倒産リスクが低いか
といったことに意識を注ぎがちですが、もう少し広い範囲で考えたいものです。
その観点で考えた時、企業ホームページに掲載されている情報のうち株式投資家が見るべき箇所はどこでしょうか?
実は株式会社のホームページには大体どの企業も同じような項目を作っています。
例えば、
- 会社の概要:企業理念、グループ会社、歴史・沿革
- 社長の挨拶:経営者の顔つき、文言から伝わる想い、経営姿勢、考え方、投資家へのメッセージ
- 事業セグメント:メイン事業とサブ事業の全体像とそれぞれの推移、事業の強み、社会との関わり方
- 出資関係:取引先、業務提携先
- 業績・財務推移:売上高、営業利益、経常利益、純利益、自己資本比率など
- 業績の源泉となる数字:既存店売上、来場者数など
- 株主還元策:配当性向、自社株買い、株主優待内容など
- IR:資料、カレンダー、最新ニュースなど
はその代表的なもので、上述のような点を見ていくことが基本のやり方になります。
企業分析のやり方として、まずこのあたりをざーっと見渡して企業の全体像を知ることが第一歩でしょう。
そこから気になった点について分岐するページを閲覧していき、最終的に自分が「良い会社だな」と感じられれば投資対象としてかなり近づくわけですね。
企業分析の本質
企業ホームページをいくつか回ってみるとわかりますが、ホームページ製作に力を入れているケースとそうでないケースがあります。
大した情報も載っておらずあまり参考にならないこともありますが、
- 投資家への熱い想いが伝わってくる
- 経営者の頼もしさが伝わってくる
- 企業イメージが湧いてくる
といった場合もあるわけです。
もちろん後者の方が投資家としてはありがたいですし、何より経営者の顔つきや考え方を知ることがこれほど具体的にできる媒体は少ないでしょう。
勝手なイメージではありますが、
- 社長が腕組みをした写真を載せて投資家への挨拶も簡素
- 経営者の考え方や今後のビジョンを述べた上で投資家への敬意が示されている
のどちらに資金を預けたいか変わってきませんか?
投資家としては
- どんな事業展開をして
- どういった強みやメリットがあって
- 株主にもしっかり利益還元されるのか
が知りたいわけで、それは四季報や業績推移だけではわかりません。
そういった情報をしっかりと掴むことができる媒体こそ企業ホームページであり、数字以外の企業実態を知った上で投資するやり方となります。
企業分析のやり方をオリエンタルランドで説明
では株式投資における企業分析をオリエンタルランドの例で見てみましょう。
オリエンタルランドはディズニーランドのイメージが強いですが、企業ホームページを分析することでどのようなことがわかるのでしょうか。
全てはとても書ききれないので、例となる部分を少しずつ見ていきます。
外部参照リンク:オリエンタルランドホームページ
会社の概要
まずは会社の概要からです。
基本情報はこんな感じですが、このページからでも
- 2020年の時点で設立から60周年を迎えるほど経営がしっかりしているのかもしれない
- テーマパーク運営のみの会社かと思っていたが、実は不動産業も営んでいる
- 大株主や主要取引銀行の名前を確認できた
- 連結子会社は14社と多い
といったことが分析できますね。
さすが東証一部上場企業なだけあってしっかりしていそうです。
企業理念は
- 自由でみずみずしい発送を原動力に
- すばらしい夢と感動
- ひととしての喜び
- そしてやすらぎを提供します
というものでした。
なんとも夢の国らしいキャッチフレーズで、事業にも反映されていそうです。
また、掲げられた経営姿勢の中には
- 独創的で質の高い価値
- 個性の尊重
- 利益ある成長
という文言が組み込まれていて、オンリーワンで利益を出すという考え方があるようですね。
株式投資においてオンリーワンの価値は大きな強みなので良い響きです。
株における企業分析の第一歩は、こういった会社の概要を掴むことでしょう。
社長の挨拶
ではそんなオリエンタルランドを経営している方はどのようなお顔や考えを持っているのでしょうか。
代表取締役社長兼COOは上西京一郎氏で、
- 1980年にオリエンタルランドに入社
- 取締役総務部長や経営戦略本部長を経て現職へ
ということが経歴からわかります。
どこかから引き抜かれてきたわけではなく、長く社内にいる人間が実力で社長に選ばれた背景があるのかもしれません。
実績としては2018年度に過去最高来場者数をたたき出し、最高益を記録したようです。
また、テーマパーク内の状況や待ち時間がスマホでわかるようにアプリ配信を行うなどIT連携も進め、加えて新アトラクションも積極的に追加する姿勢を見せています。
経営姿勢として掲げられている言葉通り、
- サービスの向上
- 利益ある成長
を目指している印象です。
2019年度は減収減益でしたが、2020年度に掲げた目標は据え置いて再度過去最高益を目指すというメッセージもありました。
企業分析の際に経営者の顔つきやメッセージは関係ないと思われがちですが、色々な経営者のコメントを読むと中にはわけのわからない話をしている方もいるんですよ。
小型株では経営者が大株主となっていて、トップダウンで事業を進めていくことも多いでしょう。
経営者の印象や考え方を知ることも大事な企業分析です。
事業セグメント
企業概要で気になった事業セグメントについてもホームページで分析することができます。
事業セグメントやその実態は企業分析においても重要な部分で、株価の動きにも反映されやすいでしょう。
オリエンタルランドの事業セグメントは
- テーマパーク事業
- ホテル事業
- ショップ事業
の3つで構成されているようです。
利益のほとんどをテーマパーク事業で捻出しているものの、2割ほどはホテルとショップ経営が担っていることもわかりました。
まずメイン事業であるテーマパークについてですが、オリエンタルランドは国内テーマパーク市場の50%シェアを占めていることが企業ホームページで知ることができます。
加えて・・・
テーマパーク市場は年々増加傾向にあり、その中でも常に同程度のシェアを有していることもわかりました。
これはオリエンタルランドの強みであり、業界における位置づけを知ることができる数字でしょう。
市場が成長していて、なおかつシェアが横ばいなので「利益は市場成長とともに増えていくかもしれない」と推測できます。
また、サブであるホテル事業もうまくいっているのか見てみると・・・
2014年からは売上高も営業利益も上昇傾向にあるようです。
オリエンタルランド以外の銘柄を企業分析する際も、こういったサブ事業の善し悪しは見ておいた方が良いでしょう。
メイン事業の調子が良くてもサブ事業が足を引っ張っていて、市場もそこを気にかけているケースがあります。
ちなみにオリエンタルランドは事業の強みもしっかりと図解で載せていて、抜粋すると
- 環境:少子高齢化、外国人観光客の増加、労働人口の減少
- 競争優位性:圧倒的なブランド力、広大な土地とマーケット、便利なアクセス
- ビジネスモデル:強みを生かしつつ継続的な追加投資で魅力を拡充する
- 企業価値:人々に夢と希望を与える
といったことがまとめられていました。
株式投資において市場シェアや伸び率は大事なので、色々な数字からしっかり分析していきましょう。
業績・財務推移
オリエンタルランドの数字はどのようなものでしょうか。
一般的な売上高や各種利益は証券会社のアプリでも見れますので、ここでは違った部分に着目します。
例えば、設備投資関連はどうでしょう。
2014年頃から増加傾向にあって、2018年はかなり増加したようですね。
これは社長のコメントにもあったように、新アトラクションの追加などに伴うものと推測され・・・
それに関係してか2018年には有利子負債が増えています。
設備投資は将来への投資と考えられますが、要はこれが業績に反映されてくるかどうかが気になる所ですね。
2020年度に最高益を目指す計画ですが、新アトラクションなどの投資が功を奏すかどうか焦点になってくるかもしれません。
幸い、オリエンタルランドは営業利益率が20%を軽く超えてくる高収益企業で来場者数も10年前よりかなり増えています。
客単価も着実に増えているので、設備投資との相乗効果に期待です。
こういった事業内部の数字は四季報には載っていないので、企業ホームページで分析する大きなメリットでしょう。
株主還元策
株式投資家としてはしっかりと還元策を取ってくれる企業の方がありがたいです。
株主還元には
- 配当金
- 自社株買い
- 優待
がありますが、オリエンタルランドの株主還元策はどのようなものでしょうか。
まず配当金についてですが・・・
増配傾向で、配当性向も22%まできています。
上場企業の平均配当性向は30%ですから、もう少し増配が続く可能性はあるでしょう。
自社株買いも2020年1月~3月の期間に200億円程度の規模で行うと発表されています。
株主優待はディズニーランドなどで使えるワンデーパスポートがもらえ、2018年~2023年まで長期保有した投資家限定の優待企画も設けられていました。
優待内容も良く、長期保有を促す施策が取られているようですね。
ただし、2023年の権利落ち日には気をつけた方が良いかもしれません。
IR
最後にIR関係を見ていきます。
まずニュース欄ですが、オリエンタルランドに限らず企業の最新情報が掲載されていることをご存知でしょうか?
例えばまだ出回っていない新商品の情報や、提携の発表などタイムリーにチェックできればメリットのあるものも含まれています。
また、IRカレンダーといって・・・
- 何月に決算発表があるのか
- 株主優待や配当金の権利確定はいつか
- 株主総会はいつか
などが一目でわかるものも掲載されていますよ。
これは保有期間を考える上で役立ちますし、スクショを取っておくと良いですね。
企業ホームページにはIR資料室が設けられていることも多く、
- 過去の決算短信と決算資料
- 株主総会における質疑応答内容
などに加え、株主向けに発行しているもののバックナンバーなどが閲覧可能です。
決算資料には事業に関する数字をまとめた資料や、決算期ごとのコメントも載っています。
企業を追っていく上で重要なものなので目を通しておきましょう。
株における企業分析は同業他社まで含めたやり方にする
株式投資をする上で、企業分析はとても大事です。
その点で企業ホームページを読むことはかなり役に立ちますが、ひとつだけ気をつけなければならない点があります。
それは「企業ホームページは自社イメージを上げるためにある」ということですね。
要は良い事だけ書かれている可能性もあり、それを見破るためには同業他社と比較することが手っ取り早いでしょう。
例えば企業Aをホームページで分析した際に、「ある年の業界内売上高がトップだった」と知ったとします。
これだけ聞くとこの企業はすごいと感じてしまいますが、もしかしたらそれ以外の年は全て企業Bがトップかもしれません。
企業Bのホームページには市場シェアが圧倒的と書いてあるかもしれないわけで、それを見落として投資したくはありませんよね。
だから同業他社の情報まで見ておくことは投資資金を守るためにも有効で、面倒でもやっておいた方が良いと思います。
企業ホームページを読み込むのは大変かもしれませんが、将来の何十万~何百万という利益のために頑張ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?今回は企業分析をホームページで行う方法についてお話しました。
株における企業分析はホームページを読むことが重要で、四季報では知ることができない情報も手に入ります。
ホームページの内容はどれも似通っているので、慣れれば情報も探しやすいです。
ただ同業他社まで広げていくと比較作業が少し大変ではありますが、それも将来の利益のためと踏ん張ってください。
まずは記事で書いた項目だけでもざーっと見る習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
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