どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資では「空売り」という注文方法があるのをご存知でしょうか。
簡単に言うと「借りてきた株を売りつけ、値下がりしたところで買い戻して株を返す」という手順で差益をとるやり方ですね。
空売りという制度があることで株価下落局面におけるリスク低減効果やキャピタルゲインを狙うことができています。
しかし空売りはあとで買い戻すとは言え、株を売っていることに変わりありません。そのため空売りが頻繁に行われれば株価がそれだけ下がるわけですね。
ゆえに空売りがどれくらい行われているかは市場にとって重要な指標でもあります。
そこでこの記事では「空売り比率」という指標について解説しました。
空売り比率の
- 基礎知識
- 活用方法
- 注意点
がわかりますのでぜひご参考下さい。
空売り比率とは
空売り比率とは「1日や1ヶ月の出来高もしくは売買代金のうち、信用売り(空売り)されたまま決済されていない株がどれくらいあるか」を%で表した指標のことです。
これを計算式にすると
空売り比率(%)=信用売り残 ÷ 日中出来高 × 100
となりますね。この計算式は金額ベースでも計算でき、東証が発表している空売り比率は金額ベースになっています。
例えば出来高ベースで計算すると、1日の出来高が10万株で信用売り残が4万株だった場合は
空売り比率=4万÷10万×100=40%
という空売り比率になります。
空売り比率が表すものは投資家の強弱感。なぜならば、「この先株価が下がっていくだろうな」と考えれば空売りをして下落に備えたり、値下がり益を得ようとするからですね。
言い換えると、空売り比率が上昇していく局面では市場が株価下落を考えて弱気になっているということになります。
しかしながら空売りは信用取引の1種であるため、将来的には決済する必要があります。
つまり、売りの反対売買をするので将来的には買い注文を行うというわけです。
したがって、信用売り残が増えてきて空売り比率が高まると「買い戻しによって株価が反発しそうだな」と考える人が逆に増えてきます。
いわゆるショートカバーが意識されて、今度は市場心理が上昇方向へ傾き出すわけです。
この心理的な変化が起きる空売り比率の水準は一般に30~40%前後くらいがデフォルトの範囲と考えて良いでしょう。
ただし、数年前までは40%を超えてくるとショートカバー意識なんて言われていましたが、2013年に空売り制度に大幅な変更があってから少しずつ空売り比率の水準は上がっています。
それに伴い、2019年の現状では40%以上が当たり前。
したがって、2019年5月時点では50%を超えてくると買い戻しが意識されやすいのかなと感じています。
ちなみに空売り制度の変更点は
- 信用取引が一定の資金内で同日に何回でも行えるようになった
- 株価下落時でも、より安値に空売り注文ができるようになった
というもの。この変更により多くの投資家が空売り注文をやりやすくなったと考えられますね。
空売り比率の確認方法
空売り比率を確認したい時はどこから情報を入手すれば良いのでしょうか?
空売り比率は
<外部参照リンク>
から無料で情報を受け取ることが可能です。
前者は毎日データ加えて業種別の空売り比率の提供、後者は日経平均チャートとの比較グラフの提供といったメリットがあります。必要に応じて選択してください。
なお、空売り比率は機関空売り分の「価格規制あり」と、「価格規制なし」が記載されていますが、両方を足し算した値を空売り比率と考えてくださいね。
空売り比率を活用する場合は、日経平均構成比率が高い値がさ株のバリュエーションに注意
空売り比率が高まってくると日経平均が買い戻しによる反発を起こすのではないかと期待感が出てきます。
実際に買い戻されれば反発を起こすわけですが、問題はどこまで反発が進むのかが問題ですよね。
空売り比率の水準を監視するのはもちろんですが、買い戻し一巡のひとつの目安として日経平均へのインパクトが大きい値がさ株のバリュエーションにも注目すると良いです。
これは日経平均が個別銘柄の集まりであり、とりわけ株価が大きい値がさ株の影響を受けやすい特徴があるからですね。
日経平均PERを見ても良いのですが、値がさ株のPERなどがどの程度か考えると「そろそろ上昇一服かな?」と考えやすいでしょう。
一般にPERは13~15倍を目安としますが、どの業種かにもよりますので注意が必要ですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は空売り比率について解説しました。
市場心理の強弱を測れる指標ですので、ぜひご活用下さい。
関連指標である信用評価損益率については信用評価損益率とは?調べ方から見方まで誰でもわかるように解説!で解説しています。あわせてご参考下さいね。
それではまた!