どうもひげづらです。今回は積立NISAとiDeCoを併用したポートフォリオについてご紹介します。
積立NISAとiDeCoはここ最近で登場した国が投資をバックアップしてくれる制度です。積立NISAやiDeCoには
- いわゆる老齢年金への不安の声が高まっている
- 国の方針として国民一人一人が安全な投資を行い将来の金銭的な余裕を作ってもらいたい
という背景があり色々な面のメリットが意図的に作られています。後述しますが、税金が全額控除されるのはこれらの制度だけですのでぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか?複利活用の投資は早く始めたもの勝ちですよ。
積立NISAとiDeCoにおける税金や手数料
積立NISAやiDeCoのお話をする前に、そもそも投資をやったことのない方は投資における手数料や税金について知る必要があります。というかこれを知らないと、どれだけ積立NISA やiDeCoがモンスター級の制度かわからないでしょう。
手数料について
投資商品を買うときは証券口座を開設する必要があります。といっても銀行口座を開くのとなんら変わらないので、ただ名前とか住所とか身分証明さえすれば無料で誰でも作れます。ただし、口座は銀行ではなく証券会社に開設するのです。
なぜか?証券会社に投資商品の買い付けを代行してもらうためです。株や投資信託を企業やファンドから直接買うことができるのは証券会社と定められているので、それらを買いたい場合は代行して買ってもらう必要があります。
証券会社はお仕事として買ってくれるわけなので「代行してあげるから手数料を払って下さいね」という話になりますよね。例えば株だと数百円から500円くらい、投資信託だと購入額の1~数%が手数料として購入代金とは別にかかってしまいます。
それくらいなら・・・と思う方もいるかもしれませんが手数料1%とすると100万円で1万円ですよ?
株のトレードを行う場合、年間で100回以上はザラに売買します。1回の手数料が500円として、手数料だけで5万円以上は簡単に消し飛ぶわけです。特に投資信託だって長期で買い付けていくものなので、購入回数や購入額が多くなりがちです。
投資において手数料は確定的なコストなので、初心者のうちからここをいかに抑えるかが最初の壁になるんですね。その点、積立NISAやiDeCoはあらかじめそういった手数料的なコストが抑えられている商品がラインナップされています。中にはノーロード型投資信託といって手数料がかからない商品もありますので、こういった商品をメインに積立をしていくわけです。
税金について
株や投資信託に限らず、投資商品で利益が出た場合は雑所得や譲渡益など利益の分類によって税金がかけられます。株や投資信託は利益に対しておよそ20%が税金で持ってかれます。
聞こえなかった人のためにもう一度言いますが、利益の20%が税金でとられます。
つまり、100万利益が出たら20万、1000万利益が出たら200万とられるわけです。これは手数料の比ではないですよね。長く投資をしていくと、それなりに利益が出ることも増えてきます。しかし、大きく稼いでも車一台分くらい税金とられるのでほんとやってられないと感じることはありますよね。
そこで登場するのが積立NISAやiDeCoという税制優遇システムです。
積立NISAやiDeCoで得た利益には一切税金がかかりませんので、同じ100万円の利益でも通常の投資商品とは大きな差があります。同じことをしても、大きくパフォーマンスが違うのは個人投資家にとって大きなメリットと言えますよね。長期投資は将来的な投資金額が大きくなりがちなので、税金負担がないとより大きく利益を出しやすいのです。
積立NISAとiDeCo併用について
では手数料と税金の怖さがわかったところでいよいよ本題に入ります。積立NISAとiDeCoそれぞれの特徴や併用するメリットをご紹介しましょう。
積立NISAの特徴
積立NISAとは「NISA(ニーサ)の積み立て出来るバージョン」という意味合いです。もともとイギリスで「ISA」という少額投資を優遇する制度がありまして、それを参考にISAの日本版を作ろうじゃないかということで出来たのが「NISA」です。通常のNISAでは
- 少額投資非課税制度と呼ばれ日本における株式や投資信託を活用した投資利益や配当金にかかる税金を非課税(免除)とする制度
- 非課税期間は最長5年間
- 1年間の上限額は120万(5年で600万)まで
- 日本に住むその年の1月1日の時点で20歳以上が対象
という決まりがあり、5年という期間設定や金額から考えても長期投資向きの制度ではありませんでした。
そこで2018年1月に長期投資向けのNISA制度として制定されたのが積立NISAです。積立NISAは
- 少額投資非課税制度と呼ばれ日本における株式や投資信託を活用した投資利益や配当金にかかる税金を非課税(免除)とする制度
- 非課税期間は最長20年間
- 1年間の上限額は40万まで(20年で800万)
- 通常のNISAのように一括で大きく購入するのではなく毎月一定額を積み立てる(毎月最大で3.3万円ほど)
- 投資対象は手数料を無料化していることなど様々な条件をクリアして長期投資の対象として優良であると金融庁から認められた投資信託のみ
- 日本に住むその年の1月1日の時点で20歳以上が対象
という特徴があります。投資期間が20年と長いにも関わらず、
- 税金は一切かからない
- 年間で40万を最大に、自分の好きな範囲で長期的に積立ができる
- 積立NISAのラインナップには優良商品が多く、コスト面で優れている
といったメリットから長期投資するにはモンスター級に優れた制度です。積立NISAが制定されたことにより「毎月1万円から3万円ちょっとを20年間、手数料無料かつ非課税で投資ができる」という環境が整いました。現状で長期投資を堅実に行うのであれば積立NISAが1番の選択肢であることは間違いありません。それくらいすごいものです。
iDeCoの特徴
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで2017年1月に改正・拡充された制度です。個人型年金なので60歳の時点まで投資商品としてお金を積み立て、老齢年金とは別に老後資金を形成していくことを目的としています。個人型年金は2017年の改正前までは拠出可能な人は限られた人達だけでしたが、この改正によって現役世代のほとんどの方が加入できるようになりました。
公務員も含めた制度になったことでニュースなどでも話題になりましたよね。しかしiDeCoのすごいところはそこではなく、様々な節税メリットが受けられるという点。具体的には以下の3つの節税メリットが挙げられます。
1)積み立て時の節税効果
iDeCoは
- 自営業や会社員などの違い
- 会社の福利厚生(企業年金の有無)
によって掛け金の上限額が設けられており、毎月5000円~それぞれの上限額の間で積み立てを行います。実はこの掛け金の年間総額は所得税対象額から全額控除されます。
例えば、年齢が30歳で年収300万の人が毎月2万円ずつ30年間積み立てた場合。年間掛け金総額の24万円が所得計算対象額から差し引かれた上で税金が計算されるので、毎年36000円が30年間節税できます。
つまり合計の節税額は約105万円となります。要するに
- 本来なら払うべき所得税が20年間で105万円免除できる
- 毎月2万円ずつ将来のために積み立てて、「そのお金+利益」もそのままもらえる
というわけです。
このようにiDeCoの1つ目の節税効果には「積み立て期間中は所得税の節税メリットを受けられる」という点があります。積み立て時の節税効果は年収や掛け金によって変わってくるので控除額を詳しく知りたい方はiDeCoナビで税控除額を確認してみて下さいね。
外部参照リンク:税控除を確認する|個人型確定拠出年金イデコ(iDeCo)の所得控除額は?|iDeCoナビ
2)iDeCo運用中によって得た利益には一切税金はかからない
さきほど株や投資信託の利益には20%の税金がかけられ、100万円利益なら20万円、1000万円利益なら200万円持ってかれるとお話しました。
なんとiDeCoではこれらの税金は一切かかりません。1000万円利益が出れば1000万円まるまるがあなたの利益となります。
これはものすごいことです。長期間に渡って複利で利益を発生させると、かなり大きな利益になることも多いです。
掛け金が大きいことに加えて複利が加わるので、それだけ税金の額もすごいことになりますがiDeCoでは一切かかりません。このようにiDeCoの2つ目の節税効果には「通常の投資であればかかってしまう利益確定時の税金を節税できる」という点があります。
3)運用して得たお金を受け取る場合にも所得税を節税できる
iDeCoで運用したお金を受け取る際には
- 一時金として一括でもらう
- 年金として分割でもらう
- 一時金と年金ハイブリッドでもらう
の選択肢があります。通常であればこういった定期的な所得を得た場合には所得税がかかりますよね。しかし、iDeCoではどの受け取り選択肢でも「退職所得控除や公的年金等控除によって所得税を節税」することができます。
このようにiDeCoの3つ目の節税効果には「お金を受け取るタイミングでも所得税の節税効果」という点があります。
積立NISAやiDeCoのデメリットは?
完璧に思える積み立てNISAやiDeCoにもデメリットと言える点があります。
積立NISAのデメリット
積立NISAのデメリットにはスイッチングができないという点があります。長期投資の流れとして、
- 株や債券などどの資産をどれくらいの割合で持つかを決める
- 決めたアセットアロケーションが崩れないように、年1回程度調整を行う
- 調整は多い資産を減らして、少ない資産を増やす
というものがあります。
スイッチングとはこの流れのうち、「想定より多くなっている資産クラスを売って少なくなっているものを買い足す」という作業のことです。例えば株式型の投資信託を多く持ってしまっているのでそれを売って、少ない債券型投資信託を買い足すという感じ。
しかし積立NISAでは年間で積立られる金額が定められていますよね?
スイッチングのつもりで買い増しを行ってしまうと、この上限額を減らしてしまうことになります。すると予定していた定期買い付けができなくなってしまうんです。
こういった背景から、積立NISAでは「リバランスが非常にしづらい」という唯一のデメリットがあります。ただし、絶対に積立NISAをリバランスできないかというとそういうわけではありません。対策としては「毎月の積み立て額そのものを調整する」という方法があります。
例えば株式資産が多ければ、しばらくの間は株式の買い付け金額を少なくして、その他を増やすということです。毎月の調整額によって少しずつリバランスが行われるのでいつかはバランスが取れます。時間はかかりますが、積立NISAのリバランスはこういった地道な方法が必要です。
iDeCoのデメリット
次にiDeCoのデメリットですが・・・これといってありません。強いて言うならば年金という名目なので「iDeCoで積み立てたお金は60歳まで基本的には下ろせない」ということでしょうか。
長期投資ではお金を下ろさずに長期間積み立てていくことが必須なので、個人的にはこれはメリットでもあると感じますが。iDeCoで積み立てたお金は最初から無かったお金として扱えるよう、あらかじめ無理のない積立額を設定する必要がありますね。
積立NISAとiDeCoの併用ポートフォリオ
では積立NISAとiDeCoの特徴がわかったところで、併用ポートフォリオをご紹介します。あくまで例ですので、これを参考にご自身で好きなものを組み合わせていくと良いでしょう。
40歳未満の併用ポートフォリオ
もしあなたの年齢がお若い場合、
- 積立NISAの期間も20年しっかり活用できる
- 働き盛りで病気の心配も少ない
- ある程度のリスクを取っても生活できなくなる心配が少ない
といったメリットがあります。これは時間的なメリットであり、長期投資には重要な要素ですね。一般に、資産クラスの中でリスクが高いものは株式と言われています。
若い方は時間的な余裕があり、多少リスクを取っても問題ありません。したがって株式をメインに積立NISAやiDeCoを活用していくことがおすすめですね。また、積立NISAはリバランスがしづらいという点があるのでバランス型の投資信託を活用します。
バランス型投資信託はあらかじめその商品の中での資産配分が決められており、自分で何もしなくても勝手に毎年リバランスしてくれるメリットがあるんです。ノーロード型かつバランス型の優良投資信託を積立NISAで買い、iDeCoでは好みの資産を買い付けていきます。
具体例としては、
こんな感じですね。以下、特に断りがない限り積立金額の内訳としては
- 積立NISA:3万円
- iDeCo:2万円
としてあります。この併用ポートフォリオでは積立NISAではバランス型を選択し、株式以外の資産クラスにも分散投資しました。図では8資産に分散するバランス型投資信託を想定したので、積立NISAとしてはバランス型1本のみの内容です。
しかし実際には、
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- J-REIT
- 先進国REIT
の8資産に12.5%ずつ分散している内訳ですね。年齢が若いことを考えると、もう少しリスクを取りたいのでここにiDeCoで株式を追加してあげましょう。
iDeCoで追加する株式はリターンが大きい先進国株式もしくは米国株式(S&P500)が好ましいですね。なるべく分散したいので先進国株式がおすすめですが、先進国株式も内容的に米国株に多く投資するようになっています。
積立NISAとiDeCoを併用した全体の内訳としては、図の右下のように先進国株式が47.5%と半分近くを占めることになりますね。株式系をひとくくりで考えた場合は、62.5%と半分以上が株式です。
適度に分散しながらそれなりにリスクを取って、リバランスがほぼいらないポートフォリオとなりました。もし、好みとして
- バランス型が好きでない
- 株式と債権で構成したい
- 国内株式はいらない
といった事情があれば・・・
- 積立NISA:先進国株式のみ3万円
- iDeCo:先進国株式を5千円、先進国債券を1.5万円(合計2万円)
というように買えば、先進国株式70%の先進国債券30%のポートフォリオになります。7:3で株式と債権を持ち、国内のものは一切省いたポートフォリオなのでこちらも管理しやすいですね。
ちなみに個人的には余裕があれば全てを株式で運用して構わないと考えています。その場合は米国株の比率を高くすべきで、最大限リスクを取るなら最も高いリターンが望める米国株だけに集中投資しましょう。
40歳以上の併用ポートフォリオ
年齢が40歳以上になってくると、段々時間的な猶予がなくなってきますが、逆に既に持っている資産としては若い方より多い可能性が高いですよね。したがって、40歳以上の方が積立NISAとiDeCoを併用する場合は「リスクを適度に抑えた守りのポートフォリオ」が好ましいでしょう。
具合的には・・・
こんな風にバランス型のみで運用をしてまんべんなく分散するポートフォリオなどです。飛び抜けたパフォーマンスは狙いづらいですが、リバランスの必要も無く、株式市場の暴落などにもそれなりに強いのがメリットでしょう。もしくは・・・
こんな風に積立NISAの金額を2万円まで落として先進国株式と債券を半々で持つポートフォリオも良いですね。積立NISAの金額を落としている分はリバランスの余地が出ますし、債権の比率を高めることでよりリスクを抑えることも可能です。ただし50歳を超えてくるとiDeCo併用期間がだいぶ短いので自分なりにどれくらいリスクを取るか考えた方が良いでしょう。
積立NISAとiDeCo併用ポートフォリオにおすすめの銘柄
ここまでいくつかポートフォリオの例をご紹介しましたが、どの資産クラスにどれくらい分散していくかを示しただけです。実際には、その配分にするためにどの商品を選択するかを考える必要があります。
基本的な条件として手数料などのコストが低く、運用母体も信頼できる銘柄が最適です。具体的には、
- バランス型:eMAXISSlim8資産均等型
- 先進国株式:eMAXISSlim先進国株式
- 先進国債券:eMAXISSlim先進国債券
がおすすめですね。このeMAXISSlimというシリーズは全ての資産クラスにおいてコストが最低水準なので、とりあえずこれを選んでおけばほぼほぼ間違いないと言える優良シリーズです。
その他にもシリーズには国内や新興国の株式・債権、米国株式がありラインナップ豊富なメリットもあります。先ほどちらっと述べた世界中で最も高いリターンが望める米国株に投資したい場合はeMAXIS Slim S&P500を選べば間違いありません(違うシリーズで良ければ楽天全米株式インデックスファンドも優秀)。
積立NISAではどの証券会社も色々な銘柄を取り揃えているものの、iDeCoでは証券会社によって大きくラインナップが異なる現状があるので注意が必要です。eMAXISSlimシリーズをiDeCoでも積み立てできるのは松井証券という証券会社ですね。
今回ご紹介したポートフォリオをつみたてNISAでもiDeCoでも実現するのであれば松井証券で口座開設してください。電話やメールのサポート対応面で外部機関から高い評価を受けている証券会社なので初心者さんにもおすすめできます。
積立NISAとiDeCoの併用投資を始めるには?
積立NISAやiDeCoの特徴やポートフォリオが伝わったところで、実際に併用ポートフォリオを始めるための流れをご紹介します。
1)積立NISAやiDeCoを始める証券会社で口座開設をする
まずは証券会社のホームページに行って口座開設の申し込みをして下さい。ちなみに、口座開設には
- 免許証か保険証
- マイナンバー通知カード
が必要で、時間は5分ほどあれば手続きが完了します。
口座開設が完了して、ログインまでできるようになったら積立NISAとiDeCoの両方に購入申し込みをしましょう。積立NISAは申し込みから割とすぐに開設通知が届きますが、iDeCoは2ヶ月くらいかかりますので早めに行動してくださいね。
2)口座が出来たらどの銘柄をいくら積み立てるか設定する
積立NISAとiDeCoの口座が開設されたら、いよいよ積立設定を行います。
今回ご紹介した積立NISAとiDeCo併用ポートフォリオを参考に、自分に合ったリスクの設定をしてください。
3)引き落とし口座に忘れずお金を振り込む
積立設定が終わればあとは普通に生活するだけです。給与口座を自動引き落とし口座として設定しておけば、年1回様子を見るだけでなにもすることはないですね。せっせと働いて積み立てるお金を稼ぎましょう。
まとめ
いかがでしたか?この記事で積立NISAとiDeCoのすごさや併用ポートフォリオが十分に伝わったかと思います。積立NISAとiDeCoは間違いなく優秀な制度であり、使わなければ勿体ないとしか言いようがありません。
ぜひこの機会にどちらかひとつだけでも始めてみてはいかがでしょうか?将来、あのとき始めておいて良かったと思える日がきっとくるでしょう。
それではまた!
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