どうも、ひげづら(@higedura24)です。
毎年12月が近づいてくると株式市場には「今年の大納会はいつ?」なんて話題が流れ出します。
また、同様に「来年の大発会はいつ?」なんて話題も出てきますよね。
この大納会や大発会とは株式市場の終わりと始まりを担う大事な行事です。
この記事では大納会と大発会の
- 時期と概要
- PTSを含めた営業時間
- 株価に与える影響
- アノマリー
などについてまとめました。
多くの投資家が関係してくる行事だと思いますので、まだご存じでない方はぜひご参考ください。
大納会とは
大納会とはその年における最後の営業日のことを指し、読み方は「だいのうかい」です。
「おおのうかい」と読む人もたまにいますが、おそらく「だいのうかい」が正しいかと。
年内最後と聞くと12月31日を思い浮かべやすいですが、土日祝日が重ならなければ通常は12月30日が大納会となります。
ちなみに、あまり知られていないように感じますが大納会とは証券取引所で行われる年内最後の催し事の名称です。
証券取引所の年内最後のイベント名がいつの間にか市場の最終日という意味にもなり、今ではそちらの方が浸透している状況と言えますね。
証券取引所では手締めが行われる
証券取引所で行われる大納会とはどのようなことが行われるのでしょうか。
有名なもので「手締め」があり、指揮者の合図で大納会の参加者全員が三々七拍子のリズムで手を叩くことを言います。
また、東京証券取引所ではその年に活躍を収めたゲストを呼び、大納会に参加してもらうことで有名ですね。
歴代のゲストにはスポーツ選手や学者さんなどが多く、2019年には有名な能楽師兼俳優の方が参加予定となっています。
2019年以降はいつ大納会か
前述のように大納会はその年の最終営業日にあたります。
2019年は12月30日が月曜日なので、通常通り大晦日の前日が大納会ですね。
ちなみに、
- 2020年:12月30日(水)
- 2021年:12月30日(木)
- 2022年:12月30日(金)
- 2023年:12月29日(金)
- 2024年:12月30日(月)
という日程で大納会が開かれる予定となっています。
2023年は12月30日が土曜日なので、その前日が大納会となることに注意しましょう!
ちなみに為替とNYダウは
- 為替市場:国内取引所は12月30日
- NYダウ(米国株式市場):12月31日
が最終営業日となっています。
為替も米国株式市場も年末年始の日程が証券会社の公式HPに掲載されているので、毎年確認しておくことがおすすめです。
市場が開いている時間帯は?
大納会の営業時間は通常と変わりありません。
2008年までは後場の営業を停止していましたが、2009年からは現行のように前場後場ともに営業するルールに変わったようです。
営業時間が変更となった理由はシステム上の負担を軽減するためとされています。
PTSも通常通り利用でき、ナイトセッションまで売買が可能です。
株価へのアノマリー
大納会は年内最後の営業日というだけでなく、株価にも影響が出ると言われています。
例えば、大納会よりも前に12月の権利確定日がきていることは一つの要因です。
12月の権利確定日には配当や優待権利とは別に、年内の確定損失を調整して税金対策をする「損だし」が行われます。
投資家の中にはこの損だしを年内最後の取引と設定して、それ以降は来年の受け渡し分でも買い控える方は非常に多いです。
12月末は商いが細りやすく、むしろ権利確定日よりも前に年内最後の取引をする方もいるくらいですね。
気持ち的な問題もあり、大納会までには買いを控えるという流れは一定数の方にあると思います。
また、国内の投資家は連休を好まない傾向もありますよね。
特にゴールデンウィーク前なんてその代表的な例でしょう。
年末年始の連休も例外ではなく、
- 大納会に保有
- 大晦日や1月2日以降に市場にとって悪いニュースが流れる
- 大発会で被弾する
といった流れを連想して買い控えるというのが一般的な考え方です。
とは言え、直近における過去の傾向を見てみると
- 2015年:51.48円のプラス引け(GU陰線)
- 2016年:1.44円のプラス引け(陰線)
- 2017年:127.76円のプラス引け(陽線)
- 2018年:88.46円のプラス引け(横並び陽線)
とプラス引けが目立っています。
直近の傾向では大納会が大幅安という流れではないようですね。
後述するように大発会はプラス引け確率が高いので、大納会のザラ場で売り一巡を確認して買いを入れることもアリかもしれません。
大発会とは
大発会とはその年の最初の営業日のことで、読み方は「だいはっかい」や「だいほっかい」です。
土日祝日が重ならなければ、通常は1月4日を大発会としています。
こちらも元々は証券取引所における新年の催し事を大発会と呼んでいて、それがいつしか新年初日の営業日も大発会と呼ぶようになりました。
大納会ではゲストを呼ぶことが有名ですが、大発会では女性が着物や振袖で参加することで知られています。
証券取引所ごとのゲストもちゃんといらっしゃって、場が始まる時に鐘を鳴らすのでおめでたいムードに包まれますね。
2020年以降はいつ?
2020年の大発会は、1月4日が土曜日のため1月6日となっていますので注意してください。
2021年以降の予定では
- 2021年:1月4日(月)
- 2022年:1月4日(火)
- 2023年:1月4日(水)
- 2024年:1月4日(木)
- 2025年:1月6日(月)
となっています。
2025年は2019年と同様に6日までずれ込むので注意が必要ですね。
大発会で注意するべきは
- 為替:国内は1月6日
- NYダウ(米国市場):1月2日から営業
という点でしょう。
これは国内勢は営業時間外で何もできないが、外国勢は動けるという意味でもあります。
例えば2019年の1月3日には・・・
こんな形で瞬間的に大幅下落する局面がありました。
下げても買えず、大きくレバレッジを張っていた人には強制ロスカットというお年玉がプレゼントされて話題となりましたよね。
トルコリラ円なども同様に下げたので、スワップ投資勢は大打撃だったかと思います。
ちなみに私はレバレッジを張らないスタイルなので無風でした。
市場が開いている時間帯は?
大発会も、大納会と同じく通常通りの営業時間となっています。
以前は後場が休場でしたが、システム上の都合で通常通りの営業に変更された経緯があるようです。
株価へのアノマリー
大発会は、大納会とは反対に株高のアノマリーが特徴となっています。
この理由には
- 大納会まで手控えていた投資家が買い戻しを行う
- お正月という雰囲気が気持ち的に買いやすくさせる
といったことが挙げられますね。
実際に過去の傾向を調べてみると、23年間で下落日となったのは9回ほどです。
ちなみに直近の下落日では、
- 2019年:452.81円のマイナス引け(下髭陰線)
- 2016年:582.73円のマイナス引け(陰線)
が印象的です。
2019年は前述の為替の影響に加えて米国のアップルが下方修正したことが影響し、大発会の翌営業日である7日には全戻しとなる波乱の幕開けとなりました。
歴史的には大発会の勝率は高いので、もし地合いが良いようであれば買いで乗っかってみるのも一つの手ですね。
大発会のストップ高銘柄アノマリー
ところで、大発会には「その年を占う」という意味合いというかジンクスのような一面があります。
例えば、
- 大発会が荒れると年間を通して不穏となる
- 大発会で急上昇すれば年間を通して相場環境が良い
といった具合です。
また、大発会でストップ高となった銘柄には注目しておくと良いなんて話もありますね。
2019年の大発会では
- 北興化学工業
- ブライトパス・バイオ
- アイレックス
- イメージ情報開発
- フジタコーポレーション
- マーケットエンタープライズ
- アイ・ピー・エス
- シーズメン
- SKIYAKI
- ロジザード
- 大和自動車交通
- 多摩川ホールディングス
- キクカワエンタープライズ
- 幸和製作所
- ソフィアホールディングス
- トランザス
というかなりの数の銘柄がストップ高となりました。
この中で確かに年間通して調子が良かったと明確に言えそうなのは、マーケットエンタープライズや多摩川ホールディングスなどでしょうか。
2019年の大発会が大幅安だったこともあり、上記のストップ高銘柄に注目が集まりましたが・・・割合的にはあまり信頼性の高いアノマリーではなさそうですね。
ちなみに2018年の大発会におけるストップ高銘柄も調べてみましたが、多めに見ても通年で調子が良かったのは11銘柄中1銘柄でした。
雰囲気的には通年でと言うよりは上半期でという感じなのかもしれませんが、このアノマリーは無視して売買した方が調子は良さそうかなと個人的には思います。
まとめ
いかがでしたか?今回は大納会と大発会についてお話しました。
大納会は年末の損だしや連休対策で買い控えられ、大発会ではその反動で買われやすいということが一般的な特徴です。
ただし大納会の直近傾向ではプラス引けが多く、むしろ大発会の上昇を期待して買われる傾向にあるのかもしれません。
大発会は歴史的に上げ日が多いですが、ストップ高に関するアノマリーは無視して良さそうですね。
個人的には大納会も大発会もアノマリーは気にせず、いつも通りの考え方で売買をすることがおすすめです。
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