株の売買では自分に向いているやり方を取ることがとても大事です。なぜならその人の性格や思考、置かれている環境にそぐわないやり方では長続きしませんし、何より売買過程で一貫性や忍耐力なども発揮されません。
この記事ではそういった株との向き合い方を含めつつ、やり方を決めて行くにあたって考えた方が良い4つの要素をご紹介しました。
自分に合うやり方を続けていても「私って株に向いていないのかな・・・」と感じるだけですので、まずはこの4ポイントからしっかり認識しましょう。
初心者に限らず考えた方が良い要素ですので、ぜひ現状でうまくいっていない方もご参考いただき売買方法を見直す際に役立てて下さい。
株は性格に合うやり方がとっても大事
まず株との向き合い方について簡単に述べておきます。
株の売買ではお金が動き、それに伴って利益を出せたり損失が出てしまったりしますよね。利益が出ればもちろん嬉しく、損失が出たら悲しいというのが一般的に感じることでしょう。
ただ、利益や損失への感じ方はかなり個人によって差があって、これは株との向き合い方を大きく左右させる要素になります。
例えば同じ10万円の利益でもものすごく嬉しい人と大して嬉しくない人がいますし、10万円の損失で立ち直れない人とまだまだ余裕で耐えられる人もいるわけです。
こういった
- 利益への貪欲さ
- 損失への許容度
がメンタル面に影響を与え、もっと言えば目標とするリターンなども変化するので最終的に導く売買のやり方も影響を受けることを考えなくてはなりません。
したがって漠然と「株で儲けたい」と考えるのではなく、まずは
- 自分はどういった性格を持っていると自己分析できるのか
- どういった環境にあって、メリットや我慢しなくてはならない部分はどこなのか
といったことを自問自答しましょう。株初心者さんはもちろん、これは現状のやり方に満足いっていない経験者も同様ですね。
考えるべきところを考えずに手法を決めていても向いているかどうかはわかりません。
株に向いていると将来言えるための要素
というわけで株のやり方や向き合い方を決めていくうえで重要な要素を4つご紹介します。
これらをしっかりと抑えて自分に合ったやり方を取っていけば、10年後や20年後に「自分は株に向いているよな」ときっと感じられることでしょう。
性格
まずなんといってもご自身がそういった性格をお持ちなのか、これが大事です。例えば何事にもすぐに結果を求めるような性格の人が超有望株だからといって長期保有しようとしてもうまくいかないのは当たり前ですよね。
すぐに結果を求めるということはすぐに含み益にならないと気が済まないはずなので、
- ちょっとでも株価が下がれば損切りしたくなる
- 利益が出始めたら売って次の株を探したくなる
となりやすいでしょう。もしかしたらこの記事を読んでいるあなたは「私って長期保有と決めてもなぜすぐに売ってしまうんだろう」と悩んでいらっしゃるかもしれませんね。
いわゆる短気な方は長期保有には向かない可能性が高く、もっと時間軸を短くしながら株と向き合えば「株に向いていないかも」という悩みは消えるかもしれませんよ。
その一方でじっくりと粘り強く結果を出していく方は長期保有が向いている可能性は高く、何年もかけて投資目線で資産を大きくするやり方が向いていると推測できますね。
少し極端な例でしたが、このように自分がどのような性格なのかで向き合い方は変わってくるので最初に考えておきたい所です。
ただ、自分の性格を色眼鏡で見ては本末転倒で、本当は短気なのはわかっているのに「自分は結構我慢強い方だよな・・・」と考えてはいけません。素直に自分自身と対話をして、ありのままの性格にあったやり方を取っていきたいですね。
また、自分でも知らなかった一面が株で浮き彫りになるということも大いに考えられます。そのため実際に株を保有してみて
- 利益が出た時にどうだったか
- 損失(含み損)が出た時にどうだったか
をしっかりと文字にするという作業もおすすめです。売買記録までいかなくても構いませんので、日記をつけてみると自分の精神状況が損益によってどう変化したかわかるのでやってみてください。
その結果としてどういった時間軸が自分に合っているか考えると最適な売買手法が見つかりやすいです。
環境
次に自分が置かれている環境についてです。これは代表的なところだと社会人なのか学生さんなのかフリーターなのかといった点が挙げられますね。
また、社会人だとしてもどういった
- 仕事内容
- 勤務状況
なのかでできることが変わってきます。例えば日勤だけど問題なくスマホをいじれるのであればザラ場の売買もできそうですし、忙しく残業が多い方は株に割ける時間は少ないのでなるべく簡便なやり方が好ましいですね。
その他にもお子さんがいれば自分の時間は少なくなりますし、お子さんが大きければまた違います。また、お子さんの将来のために株をするのであれば目標リターンやタイムリミットも出てくるでしょう。
こういった
- 仕事
- ライフスタイル
- 家庭環境
- 株に割ける時間
といった環境要素は売買手法だけでなく向き合い方そのものに影響するので、改めてしっかりと現状把握しておきたいです。
忙しい中で無理やりデイトレをして損失を被り、挙句の果てに「自分は株に向いていない」と考えていませんか?
自分の環境に合ったスタイルで無理なく続ける方法を模索して、その上で判断することがおすすめですよ。
持っている利点
次に自分が持っている利点についてです。これは環境要素にも似ていますが、株をやる上で利点となるものを別個に考えておきたいという意味で要素分けしました。
株の売買をやる上で利点となる代表的な要素はやはり収入面でしょう。例えば年収が1000万あるという場合を考えてみます。
年収が1000万あるということは毎月60万以上もの収入があるということなので、普通に暮らせば20~30万ほどは貯蓄や投資に回せる見込みです。したがって普通に暮らしていても年間で300万前後は資産が増えていくわけですから、10年続ければ3000万円貯まります。
物価や金利スライドを抜きにした場合でも結構な額なので、そもそも株で取るべきリスクが大幅に低減されるわけですよね。
さらに共働き世帯でなおかつ地方に住んでいる(住宅費など生活費が安い)という場合はもっと取るべきリスクが低減されるでしょう。こういったケースでは一攫千金を狙って値動きの荒い銘柄を積極的に触る必要はないので、ゆったりと将来に向けて株を買い増していけば良いと思います。
とまぁこんな具合に自分が持っている収入面での利点を認識することは大事で、この他にも
- 不動産・物販・ブログなどで副収入がある
- 親から受け継いだ資産があり、持ち家も土地も車も大してお金がかからない
など人によって色々な利点があることでしょう。それらがあることで「株で取るべきリスク」が低減されることは確かなので、よく認識しておくべきですね。
極端な話、収入が大きいというだけでリスク低減になるのでお金持ちというだけで株に向いている人です。
希望
最後に出てくるのが「自分がどういった売買に憧れるのか」という希望です。
「自分の売買なんだから最初に出てくるべきでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、前述のように性格や置かれている環境によって株との向き合い方は割と制限されることが多いでしょう。
自分がデイトレーダーに憧れていてもザラ場を見ることができなければ絶対にできないので、だから希望は後回しなんです。
それよりも自分が持っている利点をしっかりと把握して売買に生かすことが先決ですから、全てを考えた上で最終的な希望を出せばそれで良いという考えにしてください(もっと言えば希望というよりは残された選択肢の中から自分に向いているやり方を見つけていくという感じかもしれません)。
ちなみに選択肢っていったいどんなものかというと、ぱっと思いつく限りでは
- 配当や優待を目的とした超長期投資
- 成長株(好業績株)に限定した中長期売買
- 割安株を買って見直されるのを待つ長期投資
- テーマや材料に乗って短期売買を繰り返す投機
- 持ち越しは一切しないデイトレスタイル
などでしょうかね。
ちなみに売買スタイルの希望以外に
- 日本株をやりたいか米国株をやりたいか
- 株式市場が好調な時にもれなく恩恵を受けたいのか(常に保有)
- 株にこだわってはいないのでつみたてNISAなどを利用した投資信託でも良いのか
など色々ありますので、遠回りでもまずはやれる範囲の中で自分がどんな投資ライフを行いたいのかを楽しみながら考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は株のやり方を考える上で大事な要素をご紹介しました。性格や置かれている環境など変えづらいものもあれば、今ある利点など様々なことが株との向き合い方に影響することがおわかりいただけたでしょうか。
何もないところから株式投資の方向性を考えるのは難しいですが、現状を認識して要素を組み合わせることでかなり方向性は絞られるはずです。
特にできないことと求めるべきリスクを明確にすることが重要で、進むべき方向がわかると良い意味で肩の力が抜けますよね。
そういった無理のない範囲でできる株の売買方法があなたに向いているやり方です。何十年にもわたって継続するということを考えると「自分に合ったやり方かつ好きな方向性」というのはとても重要ですから、ぜひ最初のうちに考えてみて下さいね。