どうも、ひげづら(@higedura24)です。
皆さんは信用取引を活用していますか?また、活用している方は信用取引で含み損を抱えていますか?
一般に、信用取引を行っている個人投資家は含み損を抱えていることが多いです。その背景には個人投資家の大多数が持っているマインドが関係しています。
今回はそんな信用取引の含み損の状態を表す指標である信用評価損益率についてご紹介し、信用評価損益率と日経平均の関係も解説します。初心者さんが意外と知らないお話だと思いますのでぜひ参考にしてみて下さいね。
信用評価損益率とは
個人投資家が信用取引を行う状況って色々ありますよね。空売りだったり欲しい銘柄が自分の資金だけでは買えなかったり、あれもこれも欲しくなったり・・・色々な状況が考えられます。
しかし、私の感覚では多くの人が資金が足りないときに信用取引を活用しているんじゃないかな?と思います。株の世界では信用取引が当たり前になってしまっていて感覚がマヒしているので気づかない人が多いんですが、要するに借金してるってことね。そして上がる確証がないものを大きく買って、その差額で儲けようとしているんだから実は怖いことなんですよ。
もちろん差額がしっかり出るまでは売らないわけで、この考えはほとんどの個人投資家が陥るマインドなんです。だから上がるまでひたすら含み損を抱える。そして期限がきて売らざるを得なかったり、逆に価値が下がりすぎてついには手放してしまうというわけですね。
信用評価損益率とは同じように利益がしっかり出るまで耐えているみんなの損益状況がどれくらいになっているのかということを数字で表してくれる指標なんです。話をまとめると
- 信用取引は要するに借金だ
- 借金して買った株の価値が上がったら売りたい
- 上がったらすぐ売るんだけど、上がらないから持ち続けてる
- みんな同じ状況になっている
- みんながどれくらい損を抱えているのかが信用評価損益率
という感じです。
マイナス推移になる理由
先ほどの例え話でおわかりかと思いますが、含み損を耐える人が多いことから信用評価損益率はマイナス推移であることが普通です。これはよく言われている「個人投資家は利益が出たらすぐ売ってしまうのに含み損はいつまでも持ち続ける」という性質そのものですね。だから塩漬けという単語が蔓延しているし、どの初心者も他人事ではないから塩漬けという単語はほとんどの人が知っているんです。
言ってしまえば利益を伸ばさずに損を伸ばしているので、信用取引をしている多くの個人投資家は勝っていないのかもしれませんね。そんな信用評価損益率の特徴は
- 全体としては-5%~-20%の範囲で推移
- 新興市場は-10%~-25%くらいのイメージ
- -20%を下回ると追証が発生し始める
というものです。ただし、2018年12月のように地合いの雰囲気がすこぶる悪くなると一過性に下に突っ込む可能性はあります。2018年12月はマザーズの信用評価損益率が-35%近くまで到達したことで追証祭りとなり一斉に売りが出ました。
ここからがとても重要なのですが、一般的に追証が収まったあとの流れとして
- 売りが出きったあとはまた違う人達が信用買いをする
- 追証に合っていない人たちの買いなので勢いがありリバウンド
- 地合いが悪ければまた追証ラインに向かうが、上昇が続くと信用評価損益率は0に近づく
- 信用評価損益率が0に近づくと含み益を抱えた人達が増え、今度は利確売りが出る
となるので一定の範囲で推移することが多いんです。
ちなみに一般的に述べられている信用評価損益率は買い手側の指標のため空売りしている人は関係なく集計されています。したがって追証で投げたのなら全て損切りの売りです。こういった理由から信用評価損益率と地合いには密接な関係があります。
信用評価損益率と日経の見方
信用評価損益率と地合い、すなわち日経平均に相関がある話が出ました。それではこちらを御覧ください。
出典:松井証券ネットストック指標:信用評価損益率
これは松井証券のHPで見られる、信用評価損益率と日経平均の推移をグラフ化したものです。ここに
- 黒破線で-5%と-20%に線引き
- 日経の上昇期間A
- 日経の下降期間BおよびC
を示しました。
ここまでの解説でお伝えしたように信用評価損益率は黒破線間の範囲で推移することが多く、それに合わせて日経平均も上下しています。こういう話をすると必ず、じゃぁ信用評価損益率に合わせて日経レバやインバースを買えばいいのか!という考えに陥る初心者さんがいます。
先ほど言ったように、2018年12月には日経が大きく下落しました。グラフのC部分がそれにあたりますが、信用評価損益率が-20%のときに買ってもそこから下抜けていますよね。つまり
- 信用評価損益率の推移範囲はあくまで目安
- 日経平均が信用評価損益率を引っ張る
という理由からです。
信用評価損益率がここまできたから日経レバを買おう!という意識でいるとB期間ではうまくいっても、C期間のように思わぬところまで信用評価損益率が引っ張られることがあります。信用評価損益率は確かに反転の目安となり非常に重要な指標です。しかし売買指標としてではなく地合いの状況を把握するためのものですので、実際に買い付ける際には値動きから考えた底打ち判断も必要だと考えるのがおすすめです。
需給変化を感じることが本質
信用評価損益率の本質、それは需給です。信用評価損益率は信用買いにおける投資家の苦しさを表しているんでしたよね。もしあなたが追証ギリギリの状態のときに「よーし、もう一歩踏み込んで買ってやるぜー!」なんて思いますか?おそらくほとんどの方は思わないでしょうね。
信用評価損益率が追証ラインを超えて個人投資家達が溺れているときに需給は悪くなるはずです。この株が欲しい!あの株も欲しい!というよりかは追証を回避するためにどれを売ろうかな・・・だと思いませんか?
そんな時期は売りが続いて雪崩が起きやすいものです。しかしその時期が過ぎると今度は需要が勝って割安になった銘柄に資金が入り始めるもの。そういった需給が信用評価損益率を通して感じられます。信用評価損益率をしっかりと追って需給の淀みを察知してください。雪崩に巻き込まれずにいれば市場の買い気が戻るとともにあなたも一緒に買うことができるはずです。
信用評価損益率の調べ方
最後に信用評価損益率の調べ方をご紹介しておきます。信用評価損益率を配信してくれている証券会社は複数あるのですが、1週間遅れだったり1ヶ月遅れだったりします。その中で唯一当日分から配信してくれる証券会社がありまして、それが松井証券です。
松井証券はそれだけでなく
- 信用評価損益率と日経平均の比較グラフ
- 直近120営業日の推移
- 2013年以降の買い方及び売り方の信用評価損益率推移
- マザーズ市場のみの推移
を無料で提供してくれます。ただし、これは松井証券で信用取引口座を開設している会員限定の特典です。
信用口座開設も信用評価損益率の確認も無料なため、多くの経験豊富な投資家がこれを利用して信用評価損益率の情報を受け取っています。したがってこの情報を知らないというだけでビハインドを負っていることになりますので、まだ信用評価損益率をチェックしていない初心者さんはこれを機に確認することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?今回は株をやる上で欠かせない信用評価損益率についてご紹介しました。まだ日々のチェック項目に入れていない方は必ずチェックするようにしてください。
日経平均が大きく動いたときだけでも確認すると全然違いますよ。その他の地合い指標についても相場観を養え!日経平均の方向性を初心者でも読めるようになる方法!でまとめていますのでこちらも参考にしてくださいね。