株の世界では200日移動平均線が重要視されていますよね。
株価の急落場面でも200日線で反発するかが注目されますし、強いサポートとして信頼されていることが伺えます。
しかし、本当にこの200日移動平均線は有用なものなのでしょうか?
この記事では日経平均株価およびS&P500の日足チャートを過去に遡り、200日移動平均線が有用なものかどうかを考察しました。
結果がどうであれ実際に見てみるということが大事かと思いますので、ぜひご参考ください。
200日移動平均線とは
まず簡単に200日移動平均線というものを説明しておきます。
これはいわゆる単純移動平均線の設定を200日にしたもので、過去200日における約定平均値の推移を表したものです。
例えば直近の日経平均株価であれば図のオレンジ線ように200日線が推移しており、見てわかるように
- かなり長い期間の平均単価なので動きは緩やか
- 株価の動きに対して遅れて反応する傾向にある
- 移動平均線を構成するデータ量は多いので信頼性は高そう
といった特徴があります。
ただし、3つめの特徴に関してはあくまで推測であり、実際に日経平均株価やS&P500と照らし合わせた際に言えることかはわかりません。
したがって今回はこの点を考察するべく、直近の値動きで200日線と株価がぶつかった際の影響をざっくりとではありますが調べていきます。
200日移動平均線が日経平均とS&P500に及ぼす影響とは
ということで今回行うのは
- 検証期間は過去3年間(2020年12月末~2017年12月末)
- 200日移動平均線が日経平均とS&P500にぶつかった際にどうなるか
- ぶつかった数のうち値動きに影響があったと思われる割合はどれくらいか
といった検証です。
ちなみに上記の値動きへの影響というのは
- 株価が下がってきた時にサポートとなったか
- 株価が上がってきた時にレジスタンスとなったか
といったことを指します。この判断は私の独断と偏見にはなりますが、一過性にでもレジサポになっていれば影響したものとしてカウントしました。
基本的にはとにかく触った回数をカウントしてその都度判別を行いましたが、
- ぶつからないまでもかなり接近したケース
- 短期間に何度も細かく往復したケース
などありましたのでこちらの判断でカウントするか決めるケースもありました。できれば明確にカウントしたかったのですが、いかんせん定義が作りづらかったためご了承ください。
気になるカウント結果は以下のようになりました。
まず日経平均についてですが過去3年間において200日移動平均線とぶつかった回数は28回。そしてそのうちの19回が値動きに影響を及ぼしたケースでした。これは割合にすると67.86%なのでまずまずの結果といったところでしょうか。
一方でS&P500は過去3年間において20回ぶつかり、そのうちの16回が値動きに影響を与えたケースでした。割合にすると80%ですのでかなり高い確率で影響を受けている結果ですね。
ちなみにぶつかる回数にこれだけ違いが生じたのは基本的にS&P500の方が強い値動きをしているためだと思います。要はS&P500の方が200日移動平均線の上を泳いでいる期間が多いのでぶつかる回数も減ったということです。
また、検証をする中で感じた重要要素を以下にまとめておきます。
細かな反復でもサポートされている場面はあった
これは主に日経平均株価に言えることですが、過去の値動きにおいて細かく200日線に触ったり往復することがありました。
例えばこんな感じで・・・
しばらく200日移動平均線の付近で推移している場合でも、サポートを受けながら頑張っている印象があります。
値幅を減らしながら頑張って200日移動平均線の上をキープしたあと、「耐えきったー!」という感じで上放れている値動きが印象的でした。
よく言われる200日線での攻防はやはり注目に値するようですね。
200日移動平均線の向きが大事だと感じることは多い
もうひとつ重要な要素があって、それは200日移動平均線の向きがどうなっているかということです。
例えばこんな感じで・・・
200日移動平均線が上向き推移なのか下向き推移なのかでかなり役割が変わってくる印象がありました。
これは移動平均線の教科書的な内容ですが、5日線や25日線ではダマシも多いですよね。しかし200日線においては正に教科書通りの結果だったので移動平均線としての信頼性が高いというのは本当かもしれません。
ちなみに気になったので過去3年よりも前の期間を遡ってみましたが、この傾向は変わりませんでした。
200週移動平均線はどうか
ところで200という設定期間は日足以外でも重要視されています。これを加味して200週移動平均線においても日経平均株価で検証してみました。
日足より週足の方がよりデータ量は濃いのでさらに面白い検証結果になるかもしれません。
ちなみに200週移動平均線の検証期間は2008年から2020年までの12年間です。その気になる結果は・・・
このようになりました。そもそも週足レベルだと200週移動平均線まで株価がくること自体が珍しいのですが、過去12年間では10回中7回が値動きに影響を及ぼしていました。
言い換えると70%の確率でレジサポを受けるということですので、これはそれなりに信頼度の高い場面ではないでしょうか。ちなみに、一応は日足より高い確率でレジサポとして機能している結果ですね。
滅多にこないもののきたら激熱ということで日経平均に連動したETFを売買してみるのもありでしょう。
結論
ここまで200日移動平均線などについて述べてきましたが、結論としては
- 日経平均株価やS&P500に与える影響は大きい
- それなりに高い頻度でレジサポの役割を果たしそう
- ただし200日移動平均線の向きには要注意
- 200日移動平均線付近での攻防は注目すべき
- 200週移動平均線も機会は少ないが有用そう
となりました。
その性質上、株価の動きに遅れて反応することや向きの変化が緩やかではあります。しかしその一方で移動平均線としての信頼度は高いと感じましたので、ぜひ値動き観察の際に表示してみてはいかがでしょうか。
スマホアプリでは証券会社によって表示できるものとできないものがありますが、その場合はPCツールやトレーディングビューなどその他の無料ツールを活用すれば良いだけです。
日々観察していないと見落としてしまいがちですが、誰にでもわかりやすく使いやすい設定期間なのでぜひお試しください。
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